プーチンの肩すかし
ウラジオストクで日露首脳会談
5日にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムで、安倍首相とプーチンが会談し日露平和条約交渉を続けることで合意した。
プーチンは去年の同フォーラムで、条件なしの日露平和条約締結を提案したが、北方領土問題を巡り交渉は暗礁に乗り上げていた。
プーチンは「条件なし」と甘い幻想を抱かせたが、いざ交渉に臨んでみると「北方領土でのロシアの主権を認めよ」との厳しい条件。
今回も安倍首相は日露平和条約の締結は歴史的使命と意欲を表明したが、北方領土の主権をめぐり双方の主張は食い違ったまま。
当面は北方領土での共同経済活動と元住民の墓参りのためのビザなし渡航などで合意したが、交渉が前進したとは言えない状況だ。
安倍首相はプーチンと11月にも再び日露平和条約に関して交渉する予定だが、柔道家のプーチンに肩すかしをくらわされるだけだろう。
野崎晃市(45)