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飯山一郎の白蛇様
『文殊菩薩』  What?  Photo 末世の争乱近し.英雄出ず.ひたすら健康延命図るべし.

※ 一日一食は聖者の食事。一日二食は人間の食事。一日三食は動物の食事。 記 事    

ロシアが四地区を編入

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プーチンが四地区編入を宣言

住民投票で賛成多数を占めたとして、ドネツク共和国・ルガンスク共和国・ヘルソン州・ザポリージャ州のロシア編入が宣言された。

プーチンは、ウクライナ危機により多極化した世界が誕生したとして、上海協力機構などを通じたイランや中国との連携を訴えた。

ザポリージャ原発が、ウクライナの無人機による攻撃を受けて火災が発生し、ロシアは戦略核による反撃と防衛を示唆している。

また、プーチンは日本にも言及し、米国は日本に原爆を落として大量虐殺した国であり、信頼できる同盟相手ではないと主張した。

ゼレンスキーは、ロシア四地区編入に対抗して、NATO加盟を求める大統領令にサインしたが、NATOが受け入れるかは不明だ。

NATO加盟にはキッシンジャーが反対しているが、もしNATO加盟が実現すれば、戦争はロシア対NATOへとエスカレートする。

野崎晃市(48)

菅首相辞任はバイデン辞任の布石か

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菅首相辞任にはそれなりの理由が

菅首相があっさり辞任の意向を固め、なにやら肩すかしにあったような日本の政局だが、これはバイデン辞任への布石だろう。

もともと、安倍が続投を諦めて菅義偉に禅譲したのは、トランプと親密だった安倍では、バイデンに対応できないからだ。

安倍がバイデン大統領就任を認めれば、裏切り者としてトランプの怒りを買うし、さりとてバイデンを無視するわけにもいかない。

そこで、安倍は事前に続投を諦めて、バイデン対応を菅義偉にまかせ、管義偉はバイデンを訪問した初めての海外首脳となった。

だが、バイデンはアフガニスタン撤退で軍の支持を失い、息子も逮捕されて人質に取られ、辞任は時間の問題と見られている。

バイデンの後に大統領を引き継ぐはずだったカマラ・ハリスも人気がなく、むしろトランプ復活の可能性が大きくなってきた。

菅義偉はバイデン大統領就任時に祝電を送って、トランプから「覚えていろよ!」と恐りを買ったため、身を引くしかなかったのだ。

悲しいかな、米国の半植民地である日本の首相は、米国大統領の顔色を忖度しなければ、地位を保つことはできないのである。


野崎晃市(47)

オーストラリア紙幣にも新型コロナウイルス

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オーストラリア新20ドル札

オーストラリアで2019年10月に新たに発行された紙幣に、新型コロナウイルスが描かれていると、英デイリーポストが報じた(記 事)。

新型コロナウイルスに酷似した図柄が見つかったのは20ドル札で、まるで2020年の新型コロナ流行を予告するかのようだ。

公式な説明によれば、この図柄はオーストラリアの国を代表する花である、ミモザの花をデザインしたものとされている。

しかし、イギリスで2020年発行の新20ポンド紙幣にも、新型コロナウイルスに酷似した図柄があり、とても偶然の一致とは思えない。

どうやら、紙幣を発行した中央銀行を支配しているロス茶にとって、新型コロナ騒動は記念紙幣を発行すべきイベントなのであろう。


野崎晃市(45)

トルコがロシア製戦闘機購入を検討

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プーチンとロシア製戦闘機を見るエルドアン

ロシアからS-400地対空ミサイルを購入したトルコだが、さらにロシア製戦闘機Su-57の購入を検討しているようだ。

トルコがロシア製兵器を購入したことに対し、米国はF35戦闘機のトルコへの販売を中止するとして圧力をかけていた。

そこで、エルドアン大統領はロシアの航空ショーにプーチンと姿を現し、プーチンとロシア製戦闘機導入で同意した。

特にエルドアン大統領が気に入ったのはロシアの最新型戦闘機Su-57で、プーチンに「これ売ってくれる?」とその場で打診。

プーチンは即座にOKと答え、トルコはロシア製戦闘機Su-57あるいは一世代前のSu‐35を購入する前提で交渉を進めている。

これで、トルコの軍備は完全に米国製からロシア製に切り替わり、脱米入露からNATO脱退へと大きく歩を進めることになった。

野崎晃市(45)

トランプが相撲を観戦

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朝乃山に大統領杯を渡すトランプ

トランプ大統領は安倍首相とゴルフをしながら農産品と牛肉輸入についての合意を取り付け、夕方には相撲観戦に出向いた。

元々トランプは大統領になる前にプロレス番組に出演するなど、格闘技好きで派手なパフォーマンスを得意とする人間だ。

日本の国技である相撲で、米国大統領杯を渡すという絶好のパフォーマンスで、日本人の心をしっかりと鷲づかみにした。

昨日ボルトンが北朝鮮のミサイルは安保理決議違反と発言したが、トランプは「全く気にしていない」とボルトンを即座に否定。

ボルトンは日本にもイランへの包囲網に参加を求めたものと思われるが、日本はイランとの間に独自外交を展開している。

来月には安倍首相が自らイランを訪問して、米国とイランの仲介役を果たすというから、ボルトンは完全に道化状態だ。

野崎晃市(44)

トランプがやって来た!

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大統領専用機から夫人と共に降りるトランプ大統領

トランプ大統領が新しく即位した天皇に挨拶をするため来日し、四日間にわたる異例の長期間滞在をする予定だ。

トランプは国内でのロシアゲート疑惑から解放され、バー司法長官に機密解除を命令して民主党への反撃を開始した。

また、ムニューチン財務長官に日本の消費税廃止を主張させ、不況と格差拡大の元凶である消費税反対を明確にした。

さらに軍事に関しても、東アジアの駐留米軍の縮小あるいは撤退の方向を明確にし、馬毛島の軍事基地化を放棄させた。

北朝鮮問題に関しても、従来の日本の強硬姿勢を改め柔軟な対応を取るように要請し、対応を韓国の文在寅に伝えることになるだろう。

野崎晃市(44)

習近平が北朝鮮訪問を断念

栗戦書
習近平と握手する栗戦書

9月9日に北朝鮮建国記念日70周年を記念した式典に、中国の習近平主席の出席が噂されていたが、どうやら出席を断念した模様だ。

北朝鮮の式典には、中国共産党序列第三位の全国人民代表大会議長栗戦書が、習近平の特別代理として出席することが発表された。

最近では、トランプが米朝首脳会談後の北朝鮮との交渉停滞は、中国が北朝鮮に多額の援助をしているためだと批判したばかりだ。

確かに、米朝首脳会談前に大連で金正恩と会談した習近平は、七億元の援助を経済制裁をすり抜ける形で提供する約束をしている。

習近平は国際的な批判を避けるためにも、米朝交渉が停滞している中で今回の式典での北朝鮮訪問は時期にあらずと判断したようだ。


野崎晃市(44)

第七艦隊の悪夢は続く

フィッツジェラルド
フィッツジェラルド号を船に乗せる作業で再び事故

今年に入りイージス艦の事故が続く第七艦隊だが、再びフィッツジェラルド号が損壊事故を起こしたようだ。

6月に貨物船と衝突して大破したフィッツジェラルド号だが、修理のため米国に送る船に乗せる作業中に再び損壊事故を起こしたのだ。

フィッツジェラルド号を回送船に乗せる作業中に接触事故で二つの穴が開き、再び横須賀のドックで応急修理が必要になったという。

先週11月22日には沖縄の沖ノ鳥島近海で空母ロナルドレーガンから飛び立ったC2輸送機が墜落し、3名の行方不明者を出したばかり。

さらに第七艦隊の将官60名と400名の兵が、マレーシア籍の商人からの賄賂の疑いで取り調べを受けているとの報道がなされている。

第七艦隊では十年にわたり賄賂や不適切な便益を得ることが常態化しており、報道では「米軍史上最大の汚職」と呼ばれているのだ。

第七艦隊は戦わずしてすでに壊滅状態に陥っており、「パクス・アメリカーナ」の衰退を象徴する事件となりそうだ。

野崎晃市(43)

トランプのアジア歴訪はビジネス重視

トランプ習近平
習近平に米国製品を売り込むトランプ

近くトランプがアジア諸国を歴訪し、日本・韓国・中国・フィリピンなどでビジネス外交を繰り広げる。

懸案となっていた朝鮮半島問題は、米朝の水面下での秘密会談が伝えられると同時に中韓の外交関係の緊張も緩和されつつある。

さらに米国民主党議員が朝鮮先制攻撃禁止法案を提案するなど、トランプ政権の軍事オプションを封じる動きが米国内から出てきた。

また、韓国のTHAAD問題も韓国がMD構想への不参加と中国を狙うものではないと宣言することで、中韓が手打ちをする準備に入った。

トランプは朝鮮問題を利用してアジア各国に武器を売り込み、韓国THAAD配備も北朝鮮への対応策として中国に黙認させたわけだ。

今回のトランプのアジア訪問の最大の目的は自国製品の売り込みで、商務長官ロスが多数の企業家を引き連れて中国入りする。

結局のところビジネスマン出身のトランプは、「アメリカ・ファースト」を旗印に米国製品をアジア各国で売り歩くことになりそうだ。

野崎晃市(43)

ティラーソン国務長官が訪中

スーザントロントン
スーザン・トロントン国務次官補

ティラーソン国務長官が訪中して、11月のトランプ大統領訪中と北朝鮮問題について意見を交わしている。

日本では全く報道されていないが、北朝鮮問題に関してはティラーソン訪中の直前に米国務省から重大な発表がなされている。

東アジア担当のスーザン・トロントン米国務次官補が、米国議会上院で北朝鮮に関する「四つのノー」政策を発表したのである。

米国務省が発表した北朝鮮に関する「四つのノー」とは…
1、北朝鮮の体制転覆を求めない
2、北朝鮮の体制崩壊を企てない
3、朝鮮半島の統一は急がない
4、38度線を越えて北に侵攻しない

ティラーソン国務長官も北朝鮮に関する上記「四つのノー」を前提にして、米中首脳会談に向けて中国との連携強化を図るはずだ。

野崎晃市(43)

石原莞爾と満州事変

東条英機と石原莞爾
東條英機と石原莞爾

中国では九一八事件(満州事変)から86周年ということで、今年もさほど表立ってではないが各地で記念行事が行われている。

満州事変を計画したのは陸軍きっての理論派だった石原莞爾だが、彼の思想的バックボーンとなったのが『世界最終戦論』である。

石原は日米による世界戦争が発生して世界が統一されるとの歴史観に基づき、満蒙の領有を生命線と唱え満州事変を正当化した。

私は以前に、石原の『世界最終戦論』が黙示録的終末思想の影響を受けていると見て、その思想的起源を探ったことがある。

石原の帰依した日蓮宗や田中智学の影響が指摘されているが、石原の構想にはそれだけでは説明できない国際性があるからだ。

石原の思想的背景を調べて分かったのは、石原が第一次大戦後のワイマール期ドイツで過ごしたことが強く影響を与えていることだ。

石原は陸大卒業後に三年間ドイツに留学しており、その間にキリスト教やマルクス主義を含めドイツの思想・哲学を研究したらしい。

関東軍内部で石原としばしば対立した東條英機もドイツ留学組であり、1920年代のドイツにはファシズムを生み出す何かがあったようだ。

野崎晃市(43)

インドが熱い

中印衝突
中国とインドの軍事衝突が発生したシッキム州

先月末に中国とインドの国境地帯で軍が衝突し、互いに国境を越えて相手が攻撃してきたと非難合戦になっている。

どうやら、これも先に朝鮮半島の緊張を煽り第二次朝鮮戦争を勃発させようとしたのと同じ米国CIAの謀略であるようだ。

先に中国とインドはチベット巡礼を希望する旅行者に関して合意に達し、国境地帯での巡礼者の通行が許可されることになっていた。

今回の国境での軍事衝突によりこの通行許可が延期となったが、タイミング的に中印の接近を妨害するためであることは明らかだ。

さらに米日印の空母艦隊がインド洋で海上における軍事演習を行い、海上での中国封じ込めを意識させる示威行動をしている。

また中国と関係の良好なパキスタン国境地帯のカシミール地方でも、中国主導の「一帯一路」を妨害するかのように軍事的緊張が高まっている。

こうした同時発生的な紛争の仕掛け方は米国CIAの得意とするところで、アジアの分断統治(Divide and Conquer)を狙ういつもの手なのだ。

野崎晃市(42)

米朝のロッドマン外交

金正恩とロッドマン
金正恩とロッドマン

以前にも『文殊菩薩』では北朝鮮の金正恩と元NBAバスケット選手のデニス・ロッドマンの交友に関する記事を書いた(記 事)。

このたびロッドマンは北朝鮮に五度目の訪問を行い、トランプからの伝言を金正恩に伝えた模様である。

ロッドマンはトランプ大統領の支持者としても知られており、過去にトランプの司会するテレビ番組に出演したこともある。

ロッドマンは金正恩へのプレゼントとしてトランプの著書を送り、北朝鮮はロッドマン訪朝に合わせて逮捕されていたアメリカ人大学生を釈放した。

今回の訪朝でロッドマンが携えたのはサイン入りのユニフォーム2枚と石鹸のセットとトランプの著書、金正恩の娘には絵本をプレゼントしたという。

いまだロッドマンは今回の北朝鮮訪問の目的と詳細について明らかにしていないが、米朝間の緊張緩和と対話に向けての動きと思われる。


野崎晃市(42)

理想主義と現実主義のポリティクス

理想
理想と現実の衝突

国際政治や政治学の分析には、理想主義(idealism)と現実主義(realism)の大きく別けて二つの見方がある。

理想主義は「こうあるべき」(ゾレンSollen)とするイデア論から出発し、倫理や道徳的観点から現実の政治を批判する。

一方の現実主義は「あるがまま」(ザインSein)から出発し、現実の性悪論的な世界を肯定し分析の出発点とする。

理想主義の代表作としてはプラトン『国家論』やカント『恒久平和論』などがあり、徳や学問に秀でた君主や平和・平等・自由等の理想が語られる。

現実主義の代表作としてはホッブズ『リヴァイアサン』やマキャベリ『君主論』があり、権力闘争・陰謀・世論操作に満ちた現状を生き抜く方法が語られる。

政治というものは理想主義に偏ると現実離れした夢物語に終わりやすく、一方で現実主義に偏ると闘争が常態化し腐敗が蔓延しやすくなる。

だから高邁な理想と徳を備えつつ醜い現実に対処していくのは至難の業で、その「王道」を歩むことができるのは聖人君子のみである。

凡庸な政治家が武力や権力を背景に権謀術数をもてあそび、民を踏みつける「覇道」に堕してしまうことはいとも容易い。

私はどちらかというと孔子・プラトン・カントといった理想主義の系譜のほうを好むし、腐敗を防ぐ「地の塩」になりたいと思っている。

野崎晃市(42)

中国とCIAのスパイ大作戦

007は二度死ぬ
日本が舞台の「007は二度死ぬ」

ニューヨーク・タイムズの報道によれば、中国で2010年からの2年間に12人のCIA情報提供者が殺され18~20人の逮捕者が出たという。

また中国外交部の発表によれば、今年に入り日本人六名が温泉開発や地質調査を名目に情報活動をしていた疑いで逮捕・拘留されている。

この二つの発表からわかるのは、日米の情報機関の内部や関係者に二重スパイが潜んでいて中国側に密告しているということだ。

実は、私も数年前に中国当局から「お茶を飲みましょう」とホテルの一室に呼び出されて非公式の取り調べを受けたことがある。

これも、後から調べてみると某有名中国評論家(実は二重スパイ)から当局にタレコミされたことが原因だったことがわかった。

もちろん、私はスパイではなくて宗教学者が本業なので後に疑惑は晴れたのだが、その疑惑を晴らすまでに数年が必要になった。

日本などスパイ天国と言われて久しく、売国奴や二重スパイが報道機関や国会に堂々と出入りしているので情報は全て筒抜けと思った方がいいだろう。


野崎晃市(42)

文在寅(ムン・ジェイン)の特使外交

韓国特使
韓国特使と中国外交部長の王毅

韓国の新大統領となった文在寅(ムン・ジェイン)が米中日にそれぞれ特使を派遣し、懸案のTHAAD配備問題と北朝鮮問題を調整中だ。

中国には前総理の李海チャン(イ・へチャン)を派遣して外交部長の王毅と会見し、THAAD配備撤回あるいは運用延期などの処理について意見を交換した。

米国には元駐米韓国大使の洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)を派遣し、トランプと会見して北朝鮮問題について話し合った。

トランプは条件が整えば適当な時期に金正恩と会談する用意があると、平和的に北朝鮮問題を解決する意欲を表明したという。

また日本には文喜相(ムン・ヒサン)議員を特使として派遣し、慰安婦像設置などで悪化した日韓関係を正常化したい考えだ。

文喜相(ムン・ヒサン)議員は、安倍首相に文在寅大統領の親書を手渡し早期の首脳会談実現を呼びかけたという。

文在寅大統領が各国との関係を調整し北朝鮮問題を解決できるのか、就任早々その手腕が問われている。

野崎晃市(42)

ルペンは「バベルの塔」の破壊神か?

バベルの塔

東京都美術館でブリューゲルの「バベルの塔」の特別展が開かれている。

フランス大統領選でEU離脱を掲げるルペン氏の躍進が報じられる中の「バベルの塔」展示は意味深だ。

奇しくもEU議会ビルはブリューゲルの「バベルの塔」をモデルにしたデザインとされているからだ。

ブリューゲルがモチーフにした「バベルの塔」は、そもそも旧約聖書に出てくる物語だ。

ニムロデという名の独裁者が神に比肩する天にも届く塔を建設していたところ、神の怒りを招き人々の言語が通じなくなった。

そのため「バベルの塔」は建設が途中で放棄され、言語による混乱を意味するようになったのである。

「バベルの塔」と同じく、言語や民族の違いを乗り越えようとする国家統合の試みは歴史上幾度となく失敗してきた。

バベルの語源である古代バビロニア帝国しかり、近年のソ連邦の崩壊しかりである。

異なる言語や民族を強引に統一するには、ニムロデやソ連のスターリンのような強大な独裁者が必要とされるためだ。

果たしてルペン氏はEUという「バベルの塔」の破壊神となるのか、フランス大統領選の行方に注目が集まっている。


野崎晃市(42)

中国版マルサ「人民の名義(人民の名において)」

人民的名義
ドラマ「人民的名義(人民の名において)」

中国中央テレビで放映されているドラマ「人民的名義(人民の名において)」が、中国各界で話題をよんでいる。

このドラマは高官の汚職を追求する検察官を主人公にしたドラマで、日本でいえば故伊丹監督の「マルサの女」を連想させるような内容だ。

中国では以前から公務員や高官の汚職やわいろがはびこり、何かを役所で頼もうとすれば「手数料」として幾ばくかの金を渡すのが通例だった。

日本では信じがたいことに、就職ポストや学校への入学手続きから結婚の申請をする時にさえ、金一封を担当者に渡すのが当然の慣行だったのである。

ところが、習近平政権になってから汚職やわいろを厳しく追及するキャンペーンが行われ、お歳暮のような贈り物や宴会への招待までも厳しくチェックされるようになった。

政敵を陥れるために故意に贈賄をして検察に密告するようなケースもあり、高官や公務員は贈り物や接待にかなり警戒するようになっている。

それでも贈収賄や汚職で逮捕される高官や公務員は後を絶たないが、自浄作用が働いている分だけ日本よりましなのかもしれない。


野崎晃市(42)

預言(ネビーイーム)と国際関係


ウェーバー
ウェーバーと妻のマリアンネ

当ブログ読者の方から、本来はキリスト教神学が専門の私の記事に国際政治や国際関係に関する記事が多いのはなぜかという趣旨の質問があった。

例えば、元外務省職員の佐藤優氏も国際関係や国際政治に関して多くの著書があるが、本来の彼の専門はキリスト教神学であり、なぜ神学の専門家が牧師ではなく外交官になったのか不思議に思う方も多いようだ。

実はキリスト教神学には預言(ネビーイーム)という分野があり、これを深く理解しようとすると国際政治や国際関係の知識が不可欠なのである。

マックス・ウェーバーも『古代ユダヤ教』の中で、プロテスタンティズムの成立における預言(ネビーイーム)の重要性について指摘している。ウェーバーの妻のマリアンネは、マックス・ウエーバーを古代のユダヤの預言者エレミヤになぞらえているほどだ。

古代ユダヤ教の聖典でもある旧約聖書は大きく律法(トーラー)、預言(ネビーイーム)、諸書(ケトービーム)に分けられる。

そのうち預言(ネビーイーム)とは古代イスラエルの国家の興亡と周辺諸国との国際関係を、宗教的な神意や天意の声を借りて表現したものとも言えるだろう。

古代イスラエルは南をエジプト、北をアッシリアやバビロニアと強大な帝国に挟まれ国の滅亡や危機を幾度も経験した。

その度に預言者が現れて、国家の滅亡や危機への対処法を神のお告げの形で発信したのである。

そして国家の滅亡や危機を、道徳や倫理の腐敗の結果として告発するのが預言者の役割だった。

国際関係や国際政治を道徳や倫理的立場から告発し批判する点では、中国の古典で言えば孔子の「春秋の筆法」に近い部分もある。

しかし孔子の『春秋』が過去の歴史を鑑として批判を加えるのに対し、預言(ネビーイーム)の場合は現在の為政者批判あるいは未来の予知という形式をとる。

別の機会にさらに詳しく説明したいが、このようにキリスト教神学と国際政治や国際関係に関する志向は実は深い所で繋がっているのである。

野崎晃市(42)

国際関係論の鼻祖:鬼谷子

鬼谷子
鬼谷子の四人の弟子たち

鬼谷子は中国の春秋戦国時代の思想家で、国際関係や外交・軍事・法律などに長じていた。

鬼谷子は単に国家間の同盟や戦争の方法について語るのみならず、弁論や遊説で君主の心理を動かす方法についても語っている。

強大な秦国にどう対応するかを巡って外交と国際関係を論じ、合従・連衡の策を諸国に説いた蘇秦と張義は共に鬼谷子の弟子であった。

また鬼谷子は老子などと共に道家の陰陽思想の源流と見られており、占いや算命学の祖ともされている。その方面では始皇帝から不老不死の薬を探すよう命じられた道士の徐福が鬼谷子の弟子として有名だ。

陰陽思想は中国流の一種の弁証法であり、ヘーゲルに2000年も先駆けて正・反の動きで歴史や国際情勢を語っていたわけで、鬼谷子の下の文にあるようなその洞察力には驚かされる。

「外交謀略の秘訣は駆け引きである。情勢変化を見極め、積極・消極の両策を巧みに使い分けねばならない。陽は行動することであり、陰は止まって自重することである。陽が極まれば陰となり陰が極まれば陽に返る」。

キッシンジャーも鬼谷子を愛読していたとされているが、現在の複雑な国際情勢を見極めるには変化と流転の中にある動きを先読みすることが必要だ。

さらに国際情勢を分析するに止まらず、自分の望む方向に指導者たちを導く術を説いた鬼谷子の思想はもっと評価されてもよいだろう。


野崎晃市(42)
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