始皇帝と法家とユダヤ

始皇帝はユダヤ系?
始皇帝は儒家を焚書坑儒で弾圧したが、韓非子や李斯のような法家を重用したのはなぜかとずっと疑問に思っていた。
帝国の統一と権力集中に、法律の整備が必要だったという実用的な理由の他に、何か思想的背景を感じたのである。
秦を滅ぼして漢王朝を打ち立てた劉邦は、秦の細かな法律を嫌って法匪と呼んだが、どこか異質さを感じたためであろう。
もし、始皇帝の後見人で宰相だった呂不韋がユダヤ系だったならば、これはあるいはユダヤ的な思想の影響かもしれない。
ユダヤ人はモーセの十戒をはじめとする律法の遵守を重んじ、律法学者であるラビたちは事細かな規則を作り上げた。
ユダヤ人は、誰でも規則通りに行動すれば、どこでも同じ生活様式になるという、今でいうマニュアル化が大好きなのだ。
一方で、儒家は倫理的な価値や、家父長的な秩序を重んじるため、法律の地位は相対的であり、より中国らしい。
野崎晃市(48)