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飯山一郎の白蛇様
『文殊菩薩』  What?  Photo 末世の争乱近し.英雄出ず.ひたすら健康延命図るべし.

※ 一日一食は聖者の食事。一日二食は人間の食事。一日三食は動物の食事。 記 事    

中国史上最初の女将軍

婦好尊
婦好墓から発掘された青銅器

婦好(ふこう)は中国史上最初の女将軍で、西暦前12世紀の商王武丁の60数名いた妻の一人であった。

その存在は甲骨文ではつとに知られていたが、1976年に殷墟から発掘された墓からその実在が証明された。

婦好は夫に代わって何度も戦場に出向いたが、戦場に出る前に吉凶を占いその結果が甲骨文に記録として残されたのである。

彼女は三十代で若くして亡くなったが、武丁は彼女の戦功に報いて特別に巨大な墓を造営した。

1976年に河南省の殷墟で発見された婦好の墓は保存状態がよく、出土品は1928件にも及び青銅器には婦好の名が刻まれたものもあった。

上の写真の青銅器は女性の持ち物らしく可愛らしい形状で、フクロウの頭に子鳥が乗ったユニークなものだ。

婦好が戦った周辺民族は侵略してきたインド・ヨーロッパ語族のアーリア人種の一派だったと考えられており、彼女の戦功は中華文明の守護者として評価されている。

野崎晃市(42)

「宋襄の仁」と「敵に塩を送る」

上杉謙信
敵に塩を送った上杉謙信

現代では「宋襄の仁」と言えば、つまらない情けをかけることを意味し、毛沢東も「宋襄の仁のような愚かな豚のような情けは不用だ」と述べている。

この諺の由来は、宋国の襄公が楚国と戦った際に、楚軍が川を渡って隊列を組む前に攻撃すれば勝てたにもかかわらず、襄公は敵が困っている時に攻撃するのは礼儀に反するとして攻撃しなかった。そのため楚国は川を渡って隊列を組んで戦うことができ、大いに宋国の軍を打ち破り襄公も怪我を負ったという故事である。

襄公の行動には中国でも賛否両論があり、『春秋公洋伝』や『史記』では襄公は礼を重んじた君子として評価している。

ところが『春秋左氏伝』や『十八史略』では、襄公は敵につまらない情けをかけたとして批判している。

中国では「打落水狗(水に落ちた犬は打て)」とか「落井下石(井戸に落ちた人の上に石を投げる)」などの諺があり、困っている人間を更に苦しめることを良しとする考えもある。

ことに戦国時代や激しい権力闘争が続いた文化大革命では、殺すか殺されるかの極限状態になるため敵への情けは我身を滅ぼすことにつながったためであろう。

一方で、日本では上杉謙信が塩の不足で窮地に陥った武田信玄に塩を送ったことは美談として「敵に塩を送る」という諺になっている。

しかし、この場合は上杉謙信は塩を送ったことで宋の襄公のように不利益を被ったわけではなく、上杉謙信は塩を売って儲けるしたたかさを持っていた。

ようするに敵に情けをかけて良いのは、こちらが圧倒的に優勢で敵に反撃する力がない場合や、こちらにも何らかの利益が見込める場合であろう。

そういった条件下では上杉謙信のように敵に恩を売ることで、こちらの名声を高め、敵との緊張関係を緩和することができるかもしれない。

宋の襄公の場合は敵の楚国のほうが大国で、軍事面では情けをかける余裕などなかった。

しかも襄公は楚国に拉致されて嫌がらせをされた後だったので、大義名分の面でも楚国に情けをかける必要などなかったのである。

そう考えると、宋の襄公が楚軍の攻撃をためらった真の原因は、表面的に語られているように敵に情けをかけたり礼儀を重んじたためではなく、楚軍への攻撃を具申した兄の目夷への反発にあったのではなかろうか。


野崎晃市(42)

アメリカが北朝鮮と直接対話を検討中

武大偉
中国の武大偉代表と日本外務省の金杉憲治アジア太洋州局長

ワシントンポストが4月27日に報じたところによれば、米ティラーソン国務長官が北朝鮮との直接対話への用意があると発言した。

27日は国連で北朝鮮問題に関する閣僚会合が開かれ、ティラーソン国務長官がメディアからの協議に関する質問に答える中での発言だ。

中国の北朝鮮六者会議代表の武大偉も25日に日本を訪れ、外務省の金杉憲治アジア太洋州局長と会談している。また武大偉は韓国や米国の六者会議代表とも北朝鮮への対応を話し合った模様だ。

中国は北朝鮮への制裁を検討しており、すでに北朝鮮への石油輸出減少で平壌ではガソリンが高騰しているという。

一方で、北朝鮮は中国の経済制裁に反発を強め武大偉の平壌訪問を拒否しており、中国の北朝鮮への制裁がどこまで効力があるのか疑問視する声もある。


野崎晃市(42)

中国で日本のテレビ番組を無料で見る方法

ネットテレビ
中国の日本ドラマ専用チャンネル

中国を訪れた日本人客から、日本のテレビ番組が見たいと言われることがある。

もちろん有料で日本のテレビ放送を見れるサービスは数社から提供されているのだが、数日の滞在の場合は契約して料金を払うのは面倒だ。

その場合は、便宜的にネットのストリーミングで日本のテレビ番組がライブで流されている以下のようなサイトを見る方法がある。

ただし、以下のネットでのストリーミング放送は著作権法上の問題がある可能性があるのでご利用は自己責任でお願いしたい。

NHK
http://vaughnlive.tv/sherming9

テレ朝
http://vaughnlive.tv/sherming99

その他には、「楽視視頻」や「捜狐視頻」といったネットテレビ業者が日本ドラマ専門チャンネルを運営しており、数年前の日本のドラマに中国語字幕を付けて一日中ネット上で流している。

これらのチャンネルは音声は日本語のままだし、きちんと日本のテレビ会社から著作権を購入して放映しているようなので安心して見ることができる。

しかし、私としてはつまらない日本のテレビ番組より、中国語の勉強のためにも中国に来たら中国語のテレビ番組を見るのをお勧めする。

中国のテレビ番組は漢字の字幕が付いているので、字幕を追えば中国語が聞き取れなくても何となく意味が分かるものだ。慣れれば1カ月ほどで中華ドラマの中国語が何となく分かるようになる。


野崎晃市(42)

中国の国産空母が浸水式


ワリャーグ
中国国産第一号の空母001A型

大連の造船場で2013年11月より建造を進めていた中国国産第一号の空母が進水式を行った。

中国ではこれまでウクライナから購入した旧ソ時代の空母ワリャーグを改造し「遼寧」号として運用していたが、空母の国産化が悲願だった。

中国の国産第一号となる001A型空母は「遼寧」号の設計をベースとしており、「遼寧」号と同じスキージャンプ方式の甲板を持つ空母で排水量5~7万トンである。

001A型空母の建造は現在70~80%の段階で、これから内装や装備の工事をした上で二年後の運用を目指している。

中国ではさらに数隻の空母を建造中で、将来的には原子力空母に電磁レールガンを装備した空母の建造も計画されている。

これら中国で建造中の空母には三菱重工の技術者も関係しているという噂があり、それが真実なら日中の軍事的緊張はマッチポンプということになる。

私が知っている中国海軍の退役将校も、軍の現場にいる人間は日中の軍事的衝突を望んではおらず、衝突は双方にとって痛手となるだけだと話していたのを思い出した。

野崎晃市(42)

「一帯一路」サミットに日本も参加

シルクロード
新シルクロード経済圏構想「一帯一路」

習近平が掲げる「一帯一路」は現代版シルクロード経済圏を構築する試みで、中央アジアを通る陸上ルートと、東南アジアを経てヨーロッパまで到達する海上ルートがある。

この「一帯一路」構想に賛同する各国の首脳会議が中国で5月に開催されるが、日本からは二階俊博自民党幹事長が派遣されることが決まった。

自民党の二階幹事長は親中派として知られ、これまでも数度にわたり中国訪問団を率いて中国首脳と会見している。二階幹事長は安倍首相の親書を習近平に手渡す予定で、日中関係の改善を促進するという。

そもそも、日本は古代のシルクロードの東端で、正倉院にはシルクロードを経て伝えられた宝物が今も残されている。

アメリカのTPP不参加による環太平洋経済圏構想の手詰まり感の中で、日本は「一帯一路」で再びシルクロード経済圏へ回帰するのであろうか。

野崎晃市(42)

中国で60年間牧畜に従事した米国人の女性核物理学者

ジョアンヒントン
ジョアン・ヒントンとエルビン・アーンスト夫婦

米国人ジョアン・ヒントン(Joan Hinton)は若い頃にシカゴ大学核物理研究所の大学院生として原子爆弾の開発に携わり、ロスアラモスでエンリコ・フェルミの助手としてマンハッタン計画にも参加した。

シカゴ大学のフェルミの研究室では、後にノーベル物理学賞を受賞した中国人物理学者の楊振寧と共に実験をしたこともあったという。

ところが、彼女は広島の原子爆弾投下による非人道的な破壊に心を痛めて核物理学を放棄し、夫と共に中国に渡り60年間牧畜業に専念することを選んだ。

もちろん中国でも核開発の研究に加わるよう誘いはあったが、特別待遇や高給が約束された中国の核開発への参加を拒否した。

夫のエルビン・アーンスト(Erwin Engst)はコーネル大学で農業を専攻し、戦後間もない1946年に中国に来て共産党の本拠地であった延安で牧畜の指導を始めた。

彼らは中国人民共和国の副主席となった元孫文夫人の宋慶齢の紹介で、共産党政権を支援するために早期に中国に来た外国人専門家の一人であった。

ジョアン・ヒントンとエルビン・アーンストは1949年に中国で結婚し、夫婦で60年間にわたり主に牧畜の指導に当たった。

ちなみに、ジョアン・ヒントンの兄のウィリアム・ヒントン(William Hinton)はジャーナリストで、中国の革命運動を紹介した『翻身』『鉄牛』などの作品で知られる。


野崎晃市(42)

月面着陸を目指す中国

天舟一号
宇宙貨物船「天舟一号」

中国の宇宙貨物船「天舟一号」が、宇宙実験ステーション「天宮二号」とのドッキングに成功した。

さらに中国では今年中に月面探査機の「嫦娥五号」を打ち上げる予定で、月面からの土壌を持ち帰るサンプルリターンを実施する。

中国は月面への有人探査を十年以内に実現する可能性を模索しており、米国のアポロ計画以来の有人月面着陸を目指す。

中国は着々と宇宙開発に取り組んで技術とデータを蓄積しており、これまで米露により主導されてきた宇宙開発で急速に発展を遂げている。

習近平の掲げるチャイナ・ドリームには、月面に中国の国旗をたなびかせることも含まれそうだ。

飯山事務所も中国でのグルンバ乳酸菌農業でチャイナ・ドリームを実現するため、急速な発展を遂げる中国で着々と計画を実行する。


野崎晃市(42)

米空母カールビンソンで事故

米空母カールビンソン
米海軍の空母カールビンソン号

先に朝鮮半島に向かっていると報道されたものの、後に実際にはインドネシア近海にいることが明らかになった米海軍の空母カールビンソン号だが、今度は搭載機が着陸に失敗する事故が発生した模様だ。

報道によれば、カールビンソン号がフィリピン南の沖合を航行中に搭載機のF-18が着陸に失敗し海に墜落する事故が発生し、パイロットが緊急脱出してヘリコプターにより救助された。

ペンス副大統領はカールビンソン号が月末にも朝鮮半島に向かうと発表したばかりだが、このタイミングでの同空母での事故発表は何か裏がありそうだ。

相続くカールビンソン号を巡る混乱は、米海軍の故意のサボタージュあるいは軍紀の弛緩なのだろうか。それとも米国内において朝鮮半島の緊張を煽る勢力と、それを阻もうとする勢力が情報戦を繰り広げていることを示唆しているのであろうか。


野崎晃市(42)

中国でトウモロコシ廃材処理の壮大な計画

トウモロコシ
中国の広大なトウモロコシ畑

中国の東北地方で生産されるトウモロコシの茎・葉・芯などを、乳酸菌で肥料に変える計画が試算段階に入った。

クライアントからの計画案によれば、最大で120万平方キロのトウモロコシ畑の48万トンの廃材を処理する必要があるという。

120万平方キロと言えば、日本の国土の三倍以上というとてつもなく広大な土地だ。

この広い中国の大地で出来るだけ輸送コストを抑えて、効率よく処理するためのシステムの計画がただいま試算中だ。

ある一つの試算では、1,800ヶ所に約60億人民元(日本円で約950億円)をかけて処理工場を整備する必要があるという。

さすがに大陸だけあってプロジェクトの面積や金額が日本では考えられないようなスケールの大きさだが、グルンバの導入もプロジェクトの目玉の一つとして予定されている。


野崎晃市(42)

北朝鮮が残留日本人問題の解決を呼びかけ

宋日
宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化交渉担当大使

北朝鮮が複数の日本メディアや記者団に向けて、第二次世界大戦後の混乱で朝鮮に残留した日本人の取材を許可した。

戦後の混乱で両親と生き別れたり朝鮮人と結婚したなどの理由で、北朝鮮に残留せざるを得なかった日本人は千人以上いるという。

日本のメディアの取材に対し、既に高齢の残留日本人たちは墓参りのためなどに故郷への一時帰国を希望していると話した。

また宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化交渉担当大使は、残留日本人問題の解決に取り組む姿勢を示した。

北朝鮮によるミサイル発射などで地域の緊張が高まっていたが、日本との関係改善へのきっかけをつかみたいという北朝鮮の思惑が見て取れる。


野崎晃市(42)

ルペンは「バベルの塔」の破壊神か?

バベルの塔

東京都美術館でブリューゲルの「バベルの塔」の特別展が開かれている。

フランス大統領選でEU離脱を掲げるルペン氏の躍進が報じられる中の「バベルの塔」展示は意味深だ。

奇しくもEU議会ビルはブリューゲルの「バベルの塔」をモデルにしたデザインとされているからだ。

ブリューゲルがモチーフにした「バベルの塔」は、そもそも旧約聖書に出てくる物語だ。

ニムロデという名の独裁者が神に比肩する天にも届く塔を建設していたところ、神の怒りを招き人々の言語が通じなくなった。

そのため「バベルの塔」は建設が途中で放棄され、言語による混乱を意味するようになったのである。

「バベルの塔」と同じく、言語や民族の違いを乗り越えようとする国家統合の試みは歴史上幾度となく失敗してきた。

バベルの語源である古代バビロニア帝国しかり、近年のソ連邦の崩壊しかりである。

異なる言語や民族を強引に統一するには、ニムロデやソ連のスターリンのような強大な独裁者が必要とされるためだ。

果たしてルペン氏はEUという「バベルの塔」の破壊神となるのか、フランス大統領選の行方に注目が集まっている。


野崎晃市(42)

中国富豪ランキング1位は王健林

王健林
アジア第一の富豪である王健林

雑誌『フォーブス』が毎年発表する世界長者番付の中国人版によれば、2017年度の第1位は香港の李嘉誠をぬいて万達集団(ワンダ・グループ)の王健林となった。

王健林の万達グループは映画館のチェーン展開で成功したが、私が以前住んでいた吉林省長春市に第一号店が建設されている。

私も長春市に住んでいた時は、万達広場と呼ばれる映画館を中心とした大型商業娯楽施設によく足を運んだので、私にとってはなじみの深い企業なのだ。

現在では万達集団は全国で映画館を展開するだけでなく、映画の制作や撮影にも乗り出し山東省青島にハリウッドのような映画製作拠点を擁している。

王健林の万達集団は本部が大連にあり、失脚した薄熙来が大連市長だったころに大きく発展した。しかし、薄熙来が逮捕された後も王健林は連座することなく生き延びた。

その理由は王健林は若い頃に人民解放軍の軍人だった経験を持ち、今でも解放軍人脈が支持しているためだと噂されている。

野崎晃市(42)

朴正煕暗殺事件と朴槿恵失脚の連続性

朴槿恵
朴槿恵と朴正煕

昨日は中国と北朝鮮の国境近くに実家があるという朴氏と食事をする機会があった。

朴氏は朝鮮族の多く住む中国吉林省延辺の出身で韓国の大学で学び、現在は大学で韓国語を教えている。

朴氏の専門は東アジア近現代史なので、緊迫する朝鮮半島情勢や近現代史の興味深い話を聞くことができた。

彼の話の中で印象に残ったのは、朴槿恵の失脚と朴正煕暗殺事件に通底する連続性を挙げていた点である。

彼によれば、そもそも朴槿恵の父親の朴正煕暗殺事件の原因の一つが、朴槿恵と崔太敏の深い関係にあったという。

朴槿恵は若い頃から崔順実の父親の崔太敏と深い関係にあり、それを知った韓国中央情報部の金載圭がそれを朴正煕に報告した。

ところが朴正煕はそれを取り合おうとせず、逆に金載圭を叱責するような姿勢を示したという。

朴正煕はこれが原因の一つとなって彼に恨みを抱いた金載圭により暗殺されたが、不思議なことに崔太敏は暗殺事件の発生を事前に知っていたという。

そのため朴槿恵の失脚の原因となったのが崔太敏の娘の崔順実であったことに、深い因縁と連続性を感じざるを得ないと話していた。

彼いわく、朴正煕暗殺事件と朴槿恵失脚の背後には共通の人脈や組織が見え隠れし、米国のケネディ暗殺と同じような臭いがするとのことだ。

野崎晃市(42)

サムスンVSファーウェイのスマホ戦争

サムスン対ファーウェイ
韓国サムスンVS中国ファーウェイ

世界のスマホ市場で第二位のサムスンと第三位のファーウェイが中国で特許を巡り争っていた裁判の判決が出た。

中国の裁判ではサムソンの敗訴が決まり、特許侵害で8050万元(日本円で約12億7000万円)という巨額の賠償金とスマホ22機種の販売禁止が言い渡された。

サムソンはgalaxy note7の発火問題でシェアを落としていたが、この判決を受けて中国市場でのシェアをさらに落としそうだ。

中国ではスマホの高スペック化と販売競争が激化しており、これまで常にスペックや性能面でトップだったアップル機を中国製品が追い越し始めている。

一方で乱立する中国のスマホ・メーカーも競争激化で収益が伸び悩むようになり、「ZTE」が巨額の赤字を抱えたり、「魅族」が大量リストラを発表している。

ここ数年で世界市場でのシェアを急激に伸ばした中国スマホ業界だが、これから淘汰と業界再編の厳しい時代を迎えそうだ。


野崎晃市(42)

中国版マルサ「人民の名義(人民の名において)」

人民的名義
ドラマ「人民的名義(人民の名において)」

中国中央テレビで放映されているドラマ「人民的名義(人民の名において)」が、中国各界で話題をよんでいる。

このドラマは高官の汚職を追求する検察官を主人公にしたドラマで、日本でいえば故伊丹監督の「マルサの女」を連想させるような内容だ。

中国では以前から公務員や高官の汚職やわいろがはびこり、何かを役所で頼もうとすれば「手数料」として幾ばくかの金を渡すのが通例だった。

日本では信じがたいことに、就職ポストや学校への入学手続きから結婚の申請をする時にさえ、金一封を担当者に渡すのが当然の慣行だったのである。

ところが、習近平政権になってから汚職やわいろを厳しく追及するキャンペーンが行われ、お歳暮のような贈り物や宴会への招待までも厳しくチェックされるようになった。

政敵を陥れるために故意に贈賄をして検察に密告するようなケースもあり、高官や公務員は贈り物や接待にかなり警戒するようになっている。

それでも贈収賄や汚職で逮捕される高官や公務員は後を絶たないが、自浄作用が働いている分だけ日本よりましなのかもしれない。


野崎晃市(42)

預言(ネビーイーム)と国際関係


ウェーバー
ウェーバーと妻のマリアンネ

当ブログ読者の方から、本来はキリスト教神学が専門の私の記事に国際政治や国際関係に関する記事が多いのはなぜかという趣旨の質問があった。

例えば、元外務省職員の佐藤優氏も国際関係や国際政治に関して多くの著書があるが、本来の彼の専門はキリスト教神学であり、なぜ神学の専門家が牧師ではなく外交官になったのか不思議に思う方も多いようだ。

実はキリスト教神学には預言(ネビーイーム)という分野があり、これを深く理解しようとすると国際政治や国際関係の知識が不可欠なのである。

マックス・ウェーバーも『古代ユダヤ教』の中で、プロテスタンティズムの成立における預言(ネビーイーム)の重要性について指摘している。ウェーバーの妻のマリアンネは、マックス・ウエーバーを古代のユダヤの預言者エレミヤになぞらえているほどだ。

古代ユダヤ教の聖典でもある旧約聖書は大きく律法(トーラー)、預言(ネビーイーム)、諸書(ケトービーム)に分けられる。

そのうち預言(ネビーイーム)とは古代イスラエルの国家の興亡と周辺諸国との国際関係を、宗教的な神意や天意の声を借りて表現したものとも言えるだろう。

古代イスラエルは南をエジプト、北をアッシリアやバビロニアと強大な帝国に挟まれ国の滅亡や危機を幾度も経験した。

その度に預言者が現れて、国家の滅亡や危機への対処法を神のお告げの形で発信したのである。

そして国家の滅亡や危機を、道徳や倫理の腐敗の結果として告発するのが預言者の役割だった。

国際関係や国際政治を道徳や倫理的立場から告発し批判する点では、中国の古典で言えば孔子の「春秋の筆法」に近い部分もある。

しかし孔子の『春秋』が過去の歴史を鑑として批判を加えるのに対し、預言(ネビーイーム)の場合は現在の為政者批判あるいは未来の予知という形式をとる。

別の機会にさらに詳しく説明したいが、このようにキリスト教神学と国際政治や国際関係に関する志向は実は深い所で繋がっているのである。

野崎晃市(42)

北朝鮮が米国との対話に応じるサイン

李洙墉
国連で南北統一を呼びかける李洙墉(リ・スヨン)元外相

北朝鮮では15日に「太陽節」として金日成の誕生日を祝うため、西側の記者が平壌に招待され続々と集まっている。

11日に開かれた北朝鮮第十三回最高人民会議第五次会議では、19年ぶりに最高人民会議外交委員会が復活することが決まった。

これは北朝鮮が米国を始め西側諸国と話し合う用意があることを示す重要なサインであるという。

北朝鮮の外交委員会は1989年に西側諸国との関係改善のために設立されたが、金正日が政権に就いた後の1998年に廃止されていた。

外交委員会の委員長に就任したのは李洙墉(リ・スヨン)元外相で、金正恩がスイス留学中時代に後見人だった人物である。

外交委員には対米交渉の専門家で、クリントン時代に六カ国協議の北朝鮮代表だった金桂冠(キム・ゲグァン)も任命された。

さらに外交委員には北朝鮮対外経済相の李龍男や、朝鮮祖国和平統一委員会の李善権などが加わる見込みだ。

注目したいのは委員長の李洙墉(リ・スヨン)で、彼は2015年に国連総会で北朝鮮と米国の和平協定を提案したことがある人物だ。

緊張が高まる朝鮮半島だが、水面下で金正恩は米トランプ政権と和平交渉を進めているのかもしれない。


野崎晃市(42)

北朝鮮問題は鎮静化へ向かうのか?

CSIS.jpg
CSISのグリーンとキャンベル

12日午後に習近平はトランプと電話会談を行い、先の米中首脳会談でも話し合われたシリア問題と北朝鮮問題について再び意見を交換した。

習近平は北朝鮮の核問題が政治的に平和裏に解決されることを望むとの原則的立場を再度確認した。さらにシリア問題については化学兵器の使用は許されないが、国連の場などでの政治的解決を望むと表明した。

それに先立ち、米国のティラーソン国務長官は9日に北朝鮮が核開発を放棄すれば、対話を続ける用意があると発言した。また米国防長官マティスも空母カール・ビンソン号の朝鮮半島行きは、特定の目的のためではないと発表した。

11日にはCSISのマイケル・グリーンとカート・キャンベルも米国の空母が朝鮮半島に向かったことは必ずしも朝鮮の攻撃を意図したものではないと、珍しく事態を鎮静化させる方向で談話を発表している。

さらにロシア太平洋艦隊の戦艦が韓国の釜山港に入港しているが、ロシア当局は釜山市との友好行事のためであり必ずしも朝鮮半島有事のためではないと発表した。

トランプの強硬発言で戦争勃発かと思われた朝鮮半島情勢だが、米・中・露が一転して慎重な対応を示唆しており、戦争回避に向けて水面下でぎりぎりの駆け引きが行われている模様である。

はたして朝鮮半島問題がこのまま鎮静化に向かうのかどうか、ミサイル発射と核実験を繰り返す北朝鮮の出方に注目が集まっている。

野崎晃市(42)

国際関係論の鼻祖:鬼谷子

鬼谷子
鬼谷子の四人の弟子たち

鬼谷子は中国の春秋戦国時代の思想家で、国際関係や外交・軍事・法律などに長じていた。

鬼谷子は単に国家間の同盟や戦争の方法について語るのみならず、弁論や遊説で君主の心理を動かす方法についても語っている。

強大な秦国にどう対応するかを巡って外交と国際関係を論じ、合従・連衡の策を諸国に説いた蘇秦と張義は共に鬼谷子の弟子であった。

また鬼谷子は老子などと共に道家の陰陽思想の源流と見られており、占いや算命学の祖ともされている。その方面では始皇帝から不老不死の薬を探すよう命じられた道士の徐福が鬼谷子の弟子として有名だ。

陰陽思想は中国流の一種の弁証法であり、ヘーゲルに2000年も先駆けて正・反の動きで歴史や国際情勢を語っていたわけで、鬼谷子の下の文にあるようなその洞察力には驚かされる。

「外交謀略の秘訣は駆け引きである。情勢変化を見極め、積極・消極の両策を巧みに使い分けねばならない。陽は行動することであり、陰は止まって自重することである。陽が極まれば陰となり陰が極まれば陽に返る」。

キッシンジャーも鬼谷子を愛読していたとされているが、現在の複雑な国際情勢を見極めるには変化と流転の中にある動きを先読みすることが必要だ。

さらに国際情勢を分析するに止まらず、自分の望む方向に指導者たちを導く術を説いた鬼谷子の思想はもっと評価されてもよいだろう。


野崎晃市(42)
文殊菩薩カウンター
おひかえなすって 手前 生国は野州 栃木でござんす

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