「すべては宇宙の采配」 奇跡のりんご農家 木村秋則 東邦出版 [良書紹介]
[良書紹介]

「すべては宇宙の采配」 奇跡のりんご農家 木村秋則 東邦出版 (amazon.co.jp)
東邦出版HP
言霊
缶ジュースを供えて謝罪した途端、幽霊が許してくれたように、言葉はだれにでも、たとえ相手が動物や植物でも、伝わるものだと思います。
これは絶対にそういい切れます。
無農薬・無肥料栽培を始めてから、畑の状態はどんどん悪くなっていました。いろいろ試してきた病害虫対策として散布する食品も尽き、失敗続きで34歳を迎えたわたしは万策尽き果て完全に行き詰まっていましたが、「言葉にはものすごい力がある」ということに気づきました。
それはりんごの木が教えてくれました。
りんごの木は長年花を咲かせず、ちょっと幹を押すとグラグラするところまで弱っていました。このままでは木が朽ちてしまう……そう思って祈るような気持ちで話しかけたのです。
「こんなにしてしまってごめんなさい」
「花を咲かせなくても、実をつけなくてもいいから、どうか枯れないで耐えてください」
木に優しく触れて、労(いた)わるように、温もりが伝わるようにしながら、「どうにか頑張ってくれ」という正直な気持ちが通じるように語りかけました。
肥料もやらないで農薬も撒かないで、人間にたとえるなら一切ゴバンを食べさせず、薬も飲ませず、「ちゃんと働け!」といっているようなものです。
そう思いながらやせ細った木を見ると、言葉が次から次に自然と出てきて、話しかける作業は日課になっていました。
うちには4つの畑に800本あまりのりんごの木があります。思いをすべての木に伝えたくて、時間をかけて一本一本に話しました。
声が大きくて、隣の畑にいる人たちに聞こえたようでした。
「あれ、だれかいるのか?」
「でも、いったいだれと話してるんだ?」
急にザワザワしはじめました。
恥ずかしくなって、とっさに身を隠しまし東。ただでさえわたしの行動はみんなからバカにされているのに、こんな姿を見られたら、「ついに木村は頭がおかしくなった」と噂されると恐れたのです。
捨てたはずの虚栄心が、どこかに残っていました。思えばりんごの木に話しかける作業は家族が畑から帰ってひとりきりになったあとに行っていました。そんな気持ちが、隣りの畑との境界線にあるりんごの木と、道路沿いにあるりんごの木たちに話しかけることをためらわせました。
これが大きな違いを生みました。
りんごたちはお願いしたとおり、ものすごく頑張ってくれて、グラグラしていた幹がしっかりと大地に根を張り、少しずつ元気になりました。一生懸命に伝えた思いに答えてくれたのです。
しかし、話しかけなかった、隣りとの境界線や道路沿いにある1列82本は、畑を縁取るようにことごとく枯れてしまったのです。
この現象は、別の畑でキュウリに触れているときも感じていたことです。
キュウリのヒゲは指を差し出すと、子供とか無垢な人には向こうから絡んできます。巻きついてこないときは、優しく撫でてあげると、しーっと絡んでくれることもあります。
わたしは絡んでもらえますが、だれでも知っている大きな宗教系の方々が試したときは、お弟子さんたちは全員絡んでもらえたのだけれども、一番偉いトップの方には絡んでもらえませんでした。
みなさんも実験されるときは、だれにも見られないようにひとりで試されたほうがいいかもしれません。p-80
言霊
言葉はだれにでも、たとえ相手が動物や植物でも、伝わるものだと思います。
これは絶対にそういい切れます。
これは絶対にそういい切れます。

「すべては宇宙の采配」 奇跡のりんご農家 木村秋則 東邦出版 (amazon.co.jp)
東邦出版HP
言霊

これは絶対にそういい切れます。
無農薬・無肥料栽培を始めてから、畑の状態はどんどん悪くなっていました。いろいろ試してきた病害虫対策として散布する食品も尽き、失敗続きで34歳を迎えたわたしは万策尽き果て完全に行き詰まっていましたが、「言葉にはものすごい力がある」ということに気づきました。
それはりんごの木が教えてくれました。
りんごの木は長年花を咲かせず、ちょっと幹を押すとグラグラするところまで弱っていました。このままでは木が朽ちてしまう……そう思って祈るような気持ちで話しかけたのです。
「こんなにしてしまってごめんなさい」
「花を咲かせなくても、実をつけなくてもいいから、どうか枯れないで耐えてください」
木に優しく触れて、労(いた)わるように、温もりが伝わるようにしながら、「どうにか頑張ってくれ」という正直な気持ちが通じるように語りかけました。
肥料もやらないで農薬も撒かないで、人間にたとえるなら一切ゴバンを食べさせず、薬も飲ませず、「ちゃんと働け!」といっているようなものです。
そう思いながらやせ細った木を見ると、言葉が次から次に自然と出てきて、話しかける作業は日課になっていました。
うちには4つの畑に800本あまりのりんごの木があります。思いをすべての木に伝えたくて、時間をかけて一本一本に話しました。
声が大きくて、隣の畑にいる人たちに聞こえたようでした。
「あれ、だれかいるのか?」
「でも、いったいだれと話してるんだ?」
急にザワザワしはじめました。
恥ずかしくなって、とっさに身を隠しまし東。ただでさえわたしの行動はみんなからバカにされているのに、こんな姿を見られたら、「ついに木村は頭がおかしくなった」と噂されると恐れたのです。
捨てたはずの虚栄心が、どこかに残っていました。思えばりんごの木に話しかける作業は家族が畑から帰ってひとりきりになったあとに行っていました。そんな気持ちが、隣りの畑との境界線にあるりんごの木と、道路沿いにあるりんごの木たちに話しかけることをためらわせました。
これが大きな違いを生みました。
りんごたちはお願いしたとおり、ものすごく頑張ってくれて、グラグラしていた幹がしっかりと大地に根を張り、少しずつ元気になりました。一生懸命に伝えた思いに答えてくれたのです。
しかし、話しかけなかった、隣りとの境界線や道路沿いにある1列82本は、畑を縁取るようにことごとく枯れてしまったのです。
この現象は、別の畑でキュウリに触れているときも感じていたことです。
キュウリのヒゲは指を差し出すと、子供とか無垢な人には向こうから絡んできます。巻きついてこないときは、優しく撫でてあげると、しーっと絡んでくれることもあります。
わたしは絡んでもらえますが、だれでも知っている大きな宗教系の方々が試したときは、お弟子さんたちは全員絡んでもらえたのだけれども、一番偉いトップの方には絡んでもらえませんでした。
みなさんも実験されるときは、だれにも見られないようにひとりで試されたほうがいいかもしれません。p-80