避難先の部屋で独りになると、一時帰宅で持ち出したアルバムの、幼かった息子のあどけない顔を眺めてる ウィンザー通信 H.25/07/22

避難先の部屋で独りになると、一時帰宅で持ち出したアルバムの、幼かった息子のあどけない顔を眺めてる
ウィンザー通信 2013年07月22日
木田節子さんが、先日の参議院選挙に立候補してはったことを知ったのは、投票日のちょっと前でした。
びっくりしました。
大変な暮らしの中、いったいどないしてはるのやろと、慌ててあちこち調べました。
そのうちに、Hideaki AmanoさんのFacebookのページに、こんなメールが掲載されてるのを見つけました。
以下に載せさせてもろたのは、すべて、参院選前に読んでもらいたかったものばっかり。
参院選は終わり、結果はみなさんもご承知の通り。
さっそく安倍は、『武器輸出三原則の撤廃』などと言い出しました。
そして東電は、選挙が終ったとたんに、以前からずっと心配されてた、汚染水の海への流出を認めました。
その地下水の汚染というのは、放射性トリチウムが1リットル当たり63万ベクレル。
わたしには、この数字がどんだけ恐ろしいものかを、想像すらできません。
ほんでも、とんでもなく大きな数字やということぐらいはわかります。
東電の言うことにゃ、「汚染は港湾内にとどまる」らしいですよ。
もうほんまに、ここまできたらでたらめ通り越して、マジで犯罪ですやんね。
ほんで、こういう犯罪を、2年と4ヵ月以上も経って、今だに一企業に丸投げしてる政府も、国際的な汚染犯罪集団ですやんね。
その、どうしようもない、人間の叡智も労力も、敵いっこない敵と戦わされてる人たち自身の気持ち、ご家族の気持ちを、
どうか、以下の手紙や記事を読んで、自分のこととして考えてください。
思いを馳せてみてください。
わたしは、木田さんの、
「避難先の部屋で、ひとりになると、一時帰宅で持ち出したアルバムの、幼かった息子のあどけない顔を眺めて」いる姿を想像して、
胸の底から、悲しみと怒りがこみ上げてきました。
この期に及んでもなお、まだ原発のような悪魔を、生かそうとしてる人間がほんまに許せません。
↓以下、転載はじめ
原発作業員の母、木田さんのメール。
木田節子さん(富岡町⇒水戸市に避難中)から、「線量計に鉛カバー」事件に対するメールが届きました。
ご本人の承諾を得て転載いたします。
ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思います。
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朝日・読みました。
私の息子も現地に入っています。
東電に出向といえば聞こえはいいけど、東電は、数えきれないほどの関連会社に、自社の社員を移動させ、不足要員を協力会社に出させる。
断れば、仕事を回さない。
指名された本人は、自分が断れば会社に迷惑をかける…と、行くしかない。
自社の社員を被曝から守り、協力会社や派遣の作業員はどうなっても構わないという、東電社員にすれば、素晴らしい会社ですよね。
私は、その東電のやり方を非難し、原発が、本当に、国民生活のために造られたのではない、
政治家と経済界と電力事業者の利権絡みで推進されたのだ、と息子に言うのですが、
入社時のマインドコントロールから抜けられないのか、聞く耳を持ちません。
福島フォーラムで出会った作業員は、
「彼等は、解ってるはずだよ。双葉の始末は、オレたちがケリをつけるしかないんだ…そう思ってるんだよ」と慰めてくれ、
心のどこかで感じていた、自分の不安と重なったことで、やりきれなさが募ります。
国や電力会社は、このことを知っているのでしょうか。
フクイチ収束までは、40年というのに、現場の作業員は被曝し続け、
あと4年もすれば、被曝限度を越え、働ける人は居なくなるといいます。
作業員だけではありません。
除染従事者、無人の町を守っている、双葉郡の広域消防署員、警察官もです。
そしたら、その先は、誰があの現場に行くのでしょうか。
今は関係ないと、原発反対運動を傍観している、その人の夫が、子どもが、行くことになるかもしれないのです。
今年生まれた子どもたちが、40歳になるまで続くのです。
私は、説得できない息子に、覚悟を決めて、
「さよなら原発、さよならお兄ちゃん」と、デモや集会に参加していますが、
避難先の部屋で、ひとりになると、一時帰宅で持ち出したアルバムの、幼かった息子のあどけない顔を眺めて、自分に言い聞かせます。
野田も東電も、経済がどうのこうのと言う奴も、絶対に許さないと。
朝日の記事の、被曝隠しをしている、下請け会社の役員もです。
原発の問題は複雑です。
止めても、廃炉までの作業は、延々と残りますが、
せめて私たちの命ある間に、私たちの手で、福島の子どもを守る、
被曝労働者の命の保障と、労災認定の法律だけは整えてあげる。
そして、そのために、本当に命をかけてくれる政治家を、「女の一票一揆」で選びましょう。
他人事と思っている人たちに、「愛の反対語は無関心」ということばで、自省を求めましょう。
長くなりました。
水戸の木田でした。
そしてこれは、その木田さんのことを、
福島県の子どもを救えるのは、この人だ。
ひどすぎるぞ、東電の賠償は。
と言わはった、広瀬 隆さんの言葉。
東京選挙区が山本太郎なら、全国区(比例区)の立候補者は、この人:木田節子。
候補者名は、「木田せつこ」となっている。
先日、期日前投票に行った時、大きな政党の陰で、その名を探しても見えなかったが、
比例区は、党名を書く必要はない。
名前を書けばよい。
福島県の子供を救えるのは、この人だ。
福島第二原発のある富岡町に住んでいたが、恐怖の汚染地帯となって、永遠に自宅に帰れなくなった木田さん。
それでも、きっと、福島県内の原発難民を救い、まず親を救って、その力で子供たちを救おうと、立ち上がった。
偉いものだ。
「ひどすぎるぞ、東電の賠償は」
この怒りを満身こめて、国会で叫ぶ必要がある。
誰かが、それをしなければならない。
彼女がどうして、何でも知っているのかと、不思議に思っていたが、
彼女は、バスガイドをしていたので、歴史にくわしいことを知った。
彼女は今、ずっと、東北人が馬鹿にされてきた歴史を、噛みしめている。
そして、ここで日本を変えようと・・・
国会周辺、首相官邸前にやってくる福島県民は、彼女に、最後の希望を託している。
泣きながら、泣きながら・・・
みなさん、事故のあと、福島県に行ったことがありますか。
みんな、泣いているんだ。
木田せつこさん、やってね、と。
きっと、頼むね、と。
福島県民は、みんな、折れそうになっているんだよ。
助けてあげようよ。
できることがあるだろ。
聞いてるかい。
そうしてもうひとつ。
原発作業員について関連する、志葉玲さんの記事を、これまたAmanoさんが載せてくれてはったので。
自民「原発再稼働」で福島での原発事故収束作業が崩壊する!?
2013年7月20日 11時40分
志葉玲 | フリージャーナリスト
パレスチナやイラクなどの紛争地取材。
脱原発・自然エネルギー取材の他、米軍基地問題や反貧困、TPP問題なども取材。
幅広く活動する、反骨系ジャーナリスト。
週刊SPA!等の、雑誌で記事執筆、BS11等のテレビ局に映像を提供。
著書に『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『図解 原発のウソ』(小出裕章 著/扶桑社/編集協力)など。
イラク戦争の検証を求めるネットワーク(http://iraqwar-inquiry.net )の事務局長。
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明日はいよいよ参院選だ。
マスコミ各社の世論調査では、最大の争点は「景気・雇用」だとのこと。
確かにそれも重要だろうが、原発の是非もまた、重要な争点ではないか。
福島第一原発事故を経験してもなお、安倍政権は原発を推進し、自民党の参院選公約にも、原発再稼働を明記している。
だが、福島第一原発事故の収束作業ですら、トラブル続きで、今後の見通しが不明瞭な中、
まるで事故などなかったかのような振る舞いには、強い違和感を感じる。
原発再稼働が、原発事故収束作業にトドメを刺す
この間、福島第一原発の収束作業に取り組む、原発作業員の方々に取材してきた。
決死の作業を続ける彼らが、懸念しているのは、現在停止中の全国の原発が、再稼働した場合、
福島第一原発の収束作業が、壊滅的な情況に陥ることだ。
凄まじい強さの放射線の中での、危険な作業を求められる収束作業よりも、各地での原発の作業の方が、安全だし、長く働ける。
「5年間で100ミリシーベルト」という被曝限度量を超えれば、原発作業員は、現場での作業ができなくなるが、その間、何の保障もない。
だとすれば、下手をすれば、1ヶ月もしないうちに、被曝限度量をオーバーする福島第一原発の収束現場よりも、
今後、再稼働する各地の原発の現場で働いた方が、安全だし、長く働けるというわけだ。
つまり、福島の事故収束現場から、作業員の大量流出が起きることが、懸念されているのだ。
今でさえ、福島第一原発の収束作業は、危機的な情況にある。
被曝限度量をオーバーする原発作業員が続出し、特に、ベテランの作業員が、現場から次々に離れている状態だ。
仕方なく、離れた拠点から、無線で指示を出しているが、現場にいる作業員達には、ボルト締めもろくにできない、作業経験ゼロの人々も少なからずいる。
放射能で汚染された水を排出する、ポンプの接続を間違え、汚染水が逆流したなど、報道されない「小さな」トラブルは、日常茶飯事なのだという。
人手不足も深刻で、休息時間に違う現場へと、駆り出されることも少なくない。
疲労が蓄積した状態での作業は、新たなトラブルの原因となる。
待遇の悪さも問題で、特に、野田政権による事故収束宣言以降、現場で働く作業員達の待遇は、目に見えて悪化し、
移動や待機などの、実質の拘束時間での時給は、最低賃金以下という有様だ。
何重もの下請け構造の中、末端の作業員は、本来受け取れるはずの、給料や手当をピンハネされ、被曝管理もいい加減なまま、使い捨てにされる。
これでは、充分な労働力が集まるわけがない。
ある元原発作業員の人は、私にこう言った。
「このままでは、事故収束作業を続けていくことすら、絶望的という情況なのです」
この上、各地の原発が再稼働すれば、福島第一原発の事故収束作業は、いよいよ危機的情況に陥ることになる。
事故を起こしてもなお、安全より金を優先する東電
収束作業を困難にしているのは、人手不足だけではない。
福島第一原発の収束作業に関わっていた、元作業員の方の話によれば、
「東電は、事故を起こしてもなお、安全より金を優先している」のだという。
本来、放射線に耐えられる素材を使うべきところに、一般的な素材を使ったりするなど、
収束作業に必要な機器や、素材の機能や品質を、ギリギリ最小限に抑え、いかにコストカットするかということに、重きを置いているのだ。
収束作業に関わる企業の入札も、その企業の原発関連での実績よりも、
いかに安く機器を納入するか、という事を優先し、安全を配慮しての企業側の提案も、退けているのだという。
だが、これはある意味、当然の結果だろう。
所詮、東電は、営利を求める民間企業であり、現在は、税金を投入して、収束作業を行なっているが、
それは東電の借金となり、いずれは返済を求められるもの。
政府がしっかりと監視しない限り、利益優先に走るのは当たり前のことだ。
何しろ、あの東電である。
むしろ、東電まかせにしている政府の責任が、問われるべきだろう。
原発再稼働より、事故収束に全力を注げ
現場からの声で、少なからず聞くのは、収束作業は、営利活動から切り離し、国家事業として取り組むべき、ということだ。
原発作業員達の練度や、待遇を上げ、必要な人員を確保し、安全性を重視した素材や機器を、優先的に使う。
それらは、営利を目的にした民間企業では難しい。
何よりも、国民の安全や生活がかかったことを、東電に任せること自体が、あまりにリスキーであるし、無責任だ。
京大原子炉実験所の小出裕章氏によれば、福島第一原発4号機の燃料プールだけでも、広島型原爆1万発分の、使用済み核燃料があるという。
事故収束作業の行く末は、日本の命運を左右しかねないものだ。
しかし、非常に腹立たしいことに、安倍政権には、そうした危機感があるようには思えない。
せめて、今回の参院選で、脱原発を掲げる政党が議席を増やさないと、本当に取り返しのつかないことになるのではないか。
是非、有権者の方々には、以上のことも参考にして、投票所に向かってもらいたいものである。
京大原子炉実験所・小出裕章氏からのメッセージ