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「上海閥と北京閥の権力闘争」とか「太子党vs共青団」といった手垢のついた錆びた出刃では、中国の政治は何も切れない。(飯山一郎)

江沢民、危篤か?
endo2.jpg遠藤 誉 | 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士
ヤフーNews 2014年9月7日 23時9分


「江沢民、危篤!」 遠藤誉博士の報告のとおりだろう。間もなく江沢民は、逝く。
それにしても遠藤誉博士の中国の政治を分析する視座は、対象の内部思念を深く理解する内在的な分析で…、主観的な(蔑視や妬みや劣等感の裏返しの歪んだ優越感だけの)俗論とは明確に異なる。
「上海閥と北京閥の権力闘争」とか「太子党vs共青団」といった手垢のついた錆びた出刃では、中国の政治は何も切れない。分かった気分になるだけだ。
そうではなくて、中国の国家指導者の使命の一つは、汚職と利権の摘発という反腐敗運動の推進だ。これは江沢民も同じで、江沢民は腐敗と汚職の摘発には非常に厳しく対処していた。
ただし…、
江沢民の子飼いたちは、隠れに隠れたところで私服を肥やしていた。ソレをいま習近平が叩きまくっているのである。
そうでなければ、遠藤誉博士の言われるように、
「(反腐敗運動に手を抜いたら)、中国共産党の一党支配体制(国家秩序)そのものが崩壊することを、誰もが認識している…」
このように中国の国家指導者の認識と行動は、国家秩序そのものを守り育てることにあり、これに尽きる!といっても過言ではない。
いっぽう、日本は…、
汚職と腐敗と利権ばかりを追求する売国奴だらけで、話にならない。だから話はしない。
(飯山一郎)

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遠藤 譽 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授、上海交通大学客員教授、(日本)内閣府総合科学技術会議専門委員などを歴任。著書に『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『チャイナ・ギャップ 噛み合わない日中の歯車』『完全解読 「中国外交戦略」の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付』など多数。

江沢民、危篤か?

江沢民(1926年8月17日生まれ)が、どうやら危篤状態にあるようだ。もしかしたら一両日中に、重大な発表があるかもしれない。

胡錦濤が国家主席になった2003年にSARS(サーズ)が流行って中止になった以外、ほぼ毎年8月に開催される北戴河の密談にだけは、どんなことがあっても出席していた江沢民が、今年は初めて顔を出さなかった。

持病が悪化したことは聞いていたが、今年8月初め、容体が急変し緊急入院したという。中国のどの新聞もテレビ局も、いざというときに発表できる態勢を準備していることを、つい最近、中国にいる教え子たちから聞いた。また9月8日の午後には緊急集会があるという話も、元いた研究所の仲間から漏れ伝わってきている。

2011年7月6日には、「山東新聞」のウェブサイト「山東新聞網」は堂々と江沢民を哀悼する情報を載せたことがある。大きな黒枠の中に「敬愛的江沢民同志永垂不朽(敬愛する江沢民同志は永遠に不滅である)」という文字が大きく書かれ、江沢民の写真まで載っていた。午後8時には削除され、関係者は厳しい処分を受けている。

このときは日本の新聞でも誤報があったが、今回はどうやら違うように思われる。

1978年の改革開放後、中国共産党中央委員会(中共中央)の総書記と国家主席および中央軍事委員会主席の三役をすべて一身で受けた者はいない。江沢民が初めてだ。だから誰もが江沢民の力に恐れおののいていた。

その江沢民がかつて「お前の後ろ盾はこの私だ! 私より大きな権力を持った者は誰もいない!」と部下に怒鳴ったことがあると、2日前の「人民網」(中国共産党の機関誌「人民日報」のウェブサイト)が報道している。それは習近平がいた厦門(アモイ)で中国建国以来最大級の汚職事件である「遠華事件」が起きたときのことだった(1999年)。すぐには報告しなかったことを知った江沢民が関係者に激怒したのだという。

習近平政権が誕生してからというもの、「虎もハエも同時にたたく」というスローガンのもと激しい反腐敗運動を展開し、今年1月までに18万人の腐敗分子を処分し、その中には15万人の党幹部が含まれていた。そのほとんどが江沢民派閥のすそ野を形成していたために、中国研究者やメディアの一部が「習近平と江沢民派との権力闘争」と勘違いして報道していた。しかし山西省の石炭閥を核とした「電力閥」(李鵬元首相系列)が逮捕され始めたのを見ても分かるように、習近平は何も江沢民派を倒そうなどとしていたわけではない。

そのことは江沢民も分かっていたはずだが、それでもなお、腹心の徐才厚(元中央軍事委員会副主席)や周永康(元中共中央政法委員会書記)までが捕えられたのでは、江沢民の気力も限界に来ていただろう。

それなら習近平は反腐敗運動に本気を出さずに党幹部の汚職を蔓延させたままでいて良かったのかというと、もちろんそうではない。そのようなことをしたら、中国共産党の一党支配体制そのものが崩壊することを、誰もが認識している。

習近平の後ろ盾として2007年の北戴河の会議で習近平を国家副主席に推薦し、李克強を習近平より下の党内序列に落とさせたのは、ほかならぬ江沢民だ。そのとき上海市書記だった習近平は、江沢民を後ろ盾として現在の地位を手にしている。

その習近平が江沢民を倒すために反腐敗運動をしているなどということはあり得ないということを、9月5日の「人民網」は言いたかったのかもしれない。

そしてそれは、江沢民の病状が好ましくないことに対する、一つの「準備」だったのではないかと、筆者には思えるのである。

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