石見神楽「塵倫」を見て

石見神楽の悪鬼「塵倫」
昨日の記事で紹介した柿本人麻呂神社では毎年9月1日を『八朔祭』として人麻呂の誕生を記念している。お祭りでは神社で石見神楽が奉納されるのだが、この石見神楽が素朴な形式ながらも子供たちが何時間もかぶりつきで見るほど魅力的な舞台なのだ。
私が最近故郷で見た神楽の演目で感動したのは「塵倫(じんりん)」という演目である。およそ1700年前、ヤマトタケルの子供で後に第14代天皇となる帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)の時代の物語だ。
その時代に「塵倫」という名の強い悪鬼が人々を苦しめていた。「塵倫」は異国より来て天空を自在に飛び回り、毒をまき散らすという最強の悪鬼だ。しかし、帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)が勇敢にもこの悪鬼「塵倫」と戦い、天神地祇の加護を受けた天の弓矢を持って悪鬼を退治する。その迫力ある舞台の様子は下の動画で見てほしい。
私はこれを見て、我国の先祖たちは1700年も前から異国の侵略者と戦ってきたのだということを知った。また神話の時代から異国の悪鬼たちは猛毒をまき散らし、天空を飛び回る存在として描かれていることにも驚いた。我々の先祖はそうした恐ろしい悪鬼たちと勇敢にも戦い、今に生きる子孫に美しい日本を残してくれたのだ。
さて神社や神道系の信仰を持っておられる方々を含め、祖国日本を愛する方々にあえて問いたい。現代の日本にも、異国から来て天空を飛び回り放射能という毒をまき散らして人々を苦しめている「塵倫」のごとき悪鬼がいるではないか。
いま、我々は子孫たちに美しい日本を残すために勇敢に立ち上がり戦うべき時ではないのか。そうしなければ、1700年もの昔から脈々と日本を守って来た我々の先祖たちにどう申し訳が立つというのか。
野崎晃市(42)