中国映画:グレート・ウォール
『HERO』や『グリーン・デステ二ィー』などの映画で知られる中国の張芸謀(チャン・イーモウ)監督が、初めてハリウッドで制作した映画“The Great Wall(中国名は長城)”が話題となっている。この映画は万里の長城をモンスターの襲撃から守る様子を描いたファンタジー映画で、中国版ロード・オブ・ザ・リングのような雰囲気の特撮CG映画だ。
主役はなぜかマット・デイモンで、中国に火薬の秘密を探りに来た西洋人スパイが万里の長城でのモンスターとの戦いに巻き込まれるというストーリーだ。モンスターは中国の饕餮という伝説の化け物だが、これがワラワラとゾンビのごとく湧いてくるのを中国人スターとマット・デイモンがひたすら叩き潰すという内容。
中国では公開されて二週間で8.7億元を売り上げ、張芸謀監督の作品で最高収益を記録する勢いだ。しかし映画評論家たちのこの映画に対する評価は低く、見た目の華やかさに比べストーリーに中身がないと酷評されている。日本では来年4月に公開の予定だ。
張芸謀監督は来年に『文殊菩薩』で何回か取り上げた女流詩人の林徽因を主役とする映画を撮影する予定もあり、先週に主演女優を選ぶ選考会が始まったばかりだ。私としてはこちらの林徽因の映画の出来上がりのほうを期待したい。
野崎晃市(42)