中国史上最初の女将軍

婦好墓から発掘された青銅器
婦好(ふこう)は中国史上最初の女将軍で、西暦前12世紀の商王武丁の60数名いた妻の一人であった。
その存在は甲骨文ではつとに知られていたが、1976年に殷墟から発掘された墓からその実在が証明された。
婦好は夫に代わって何度も戦場に出向いたが、戦場に出る前に吉凶を占いその結果が甲骨文に記録として残されたのである。
彼女は三十代で若くして亡くなったが、武丁は彼女の戦功に報いて特別に巨大な墓を造営した。
1976年に河南省の殷墟で発見された婦好の墓は保存状態がよく、出土品は1928件にも及び青銅器には婦好の名が刻まれたものもあった。
上の写真の青銅器は女性の持ち物らしく可愛らしい形状で、フクロウの頭に子鳥が乗ったユニークなものだ。
婦好が戦った周辺民族は侵略してきたインド・ヨーロッパ語族のアーリア人種の一派だったと考えられており、彼女の戦功は中華文明の守護者として評価されている。
野崎晃市(42)