電話帳のような厚さの百済・高句麗年表

姜維公編『百済・高句麗歴史編年』
今日、大連民族大学の研究室に送られてきたのは、長春師範大学の姜維公教授の編集した『百済・高句麗歴史編年』だ。
姜維公教授は古代の朝鮮族の歴史を研究している専門家で、中国の東北工程と呼ばれる歴史研究プロジェクトにも参加している。
姜維公教授は百済は吉林省吉林市周辺が起源で後に朝鮮半島方面に南下したとして、韓国の歴史家たちと論争を引き起こした。
姜維公教授によれば百済の語源は勿吉や沃沮などと同じ音MoJiから来ており、起源は扶余王の尉仇台にまでさかのぼるのだという。
年表では、既に散逸した『百済記』など古代の百済史書から記事を引用している『日本書紀』などの日本の文献も参考にされている。
百済・高句麗の位置を巡る歴史論争がヒートアップするのは、それが現在の朝鮮半島の支配権や領土問題にも影響を与えるからだ。
倭人の正体を探るために百済・高句麗年表にこれから当たることになるが、まずは電話帳のような本の厚さに驚いているところだ。
野崎晃市(43)