東アジアから出土する琵琶形銅剣

●は琵琶形銅剣の出土した場所
吉林省博物館に展示されていた琵琶形銅剣は、古代の満州・朝鮮・日本に共通して出土する特徴的な形の銅剣である。
琵琶形銅剣は中央が茎で剣身が葉のように広がる琵琶に似た形を有し、遼寧省で多く出土するため遼寧式銅剣とも呼ばれる。
分布は古朝鮮の勢力範囲と重なるとも言われており、朝鮮忠清南道扶余郡松菊里遺跡や福岡県今川遺跡などからも発見されている。
青銅器に含まれる鉛同位体の分析からは、遼寧省の錦西鉱山から採掘される銅が材料との説が有力だ。
制作された年代は箕子朝鮮から戦国時代の燕国の時代に当たり、はるか古代より同地域での交流があったことを物語っている。
野崎晃市(43)