飯山一郎先生の最終講義(3)

即心院跡を訪れた飯山一郎先生
飯山先生のお住まいは、志布志港からほど近くの小高い山の上にあったが、志布志港にも明治維新の秘密が隠されているという。
志布志港は薩摩藩が密貿易を盛んに行っていた拠点で、港の近くには千軒町と呼ばれる貿易商人の倉が並ぶ場所があった。
薩摩藩が密貿易によって蓄えた豊かな財政と、外国との通商によって培ってきた人脈や交通網が明治維新の基礎となったそうである。
飯山先生に案内していただいたのは港から近くにある即心院跡で、島津家第6代当主の島津氏久と夫人の墓が残されている。
島津氏久は南北朝時代に志布志城の城主として志布志を治め、中国の明に使者を派遣して中国や琉球との貿易を進めたそうである。
現在の志布志港も中国や韓国との貨物船が出入りしているが、中国向け木材の輸出が盛んで樹齢数百年の大木が運ばれることもある。
野崎晃市(44)