始皇帝の造った下水道

始皇帝の別荘の下水道設備
青島郊外の琅琊台で、秦の始皇帝の別荘と思われる遺跡が見つかったが、なんと別荘には下水道の設備が備わっていたようだ。
遺跡のあった琅琊台は、秦の始皇帝が不老不死の薬を求めて、海のかなたにある仙人の国へ向けて、徐福を送り出した場所だ。
上下水道というと古代ローマの遺跡が有名だが、それよりも以前に、小規模ながら始皇帝が同様のものを造っていたのである。
しかも、下水道管は一部が破損しても交換して修理できるように、全て寸法が統一されており、なんとも始皇帝らしい設計だ。
また、室内の床に使われたとみられる石からは、水のはけ口と思われる穴が見つかっており、現代のシャワー室の排水に近い。
秦の始皇帝の技術力は、兵馬俑から出てきた一つ一つ表情が異なる、ギリシャ彫刻にも匹敵するリアルな人形を見るとよくわかる。
日本の古墳から出てくる素朴で元始的な埴輪の人形と比べると、始皇帝の擁していた技術力や芸術のレベルの高さに驚かされる。
野崎晃市(45)