始皇帝の鉄道網

馬が引く軌道列車
2007年に河南南陽の伏牛山で鉄道の跡とみられる整然と並んだ枕木が発見されたが、年代測定で始皇帝の時代のものと分かった。
史料によると秦の始皇帝が楚の国を攻める際に、3年の期間をかけて60万人を動員して造らせた馬車の軌道なのだそうだ。
原理は現在の鉄道と同じであるが、ただ軌道は全て木材で作られており、もちろん列車の動力は蒸気や電気ではなく馬が引いた。
しかも、軌道として敷かれた木材には炭素素材のコーティングがなされており、ダイヤモンドのような硬度で腐敗を免れていた。
秦の始皇帝と言えば、万里の長城や兵馬俑に見られる大型の土木工事、漢字の統一に見られる標準化が強さの秘密だった。
馬車の車軸幅も統一されたが、当時の馬車に普通の土を固めた道路と、軌道上の双方を乗り入れ可能にするためだったようだ。
野崎晃市(45)