エコ先進国ドイツの原型は「江戸」だった マインドコントロール 日本人を騙し続ける支配者の真実 池田整治 (著) ビジネス社
エコ先進国ドイツの原型は「江戸」だった

●スーパーで売られるのは、醤油ではなく「醤油鳳の調味料」
ここで、そのドイツと日本の食品の安全基準の違いを見てみよう。
「安全と証明できたものしか売ってはならない」ドイツでは、野菜も有機無農薬野菜が売られる。有害な食品添加物は使われない。
ところが日本では「危険と証明できない限り売ってもよい」。このため、マウスに人間体重換算の添加物を投与してその毒性の限界値を判定し、その範囲内での添加物の使用を認めている。前掲した『沈黙の春』 で指摘された種の絶滅につながる化学物質のホルモン作用や、複数同時に体内に入った場合の複合作用、二世代三世代に及ぶ遺伝子影響などの安全基準もなく、検査もされない。
食品を買うときは、手首を返して裏の「原材料名」をチェックして欲しい。
例えば、日本食の味付けの原点である醤油を見ると、本来の「丸大豆醤油」の原材料は、丸大豆、小麦、食塩だけである。ところがスーパー等で売られている「新式醸造醤油」では、脱脂加工大豆、アミノ酸液、ブドウ糖果糖液糖(これら自体が化学物質)、グルタミン酸ナトリウム、5,lリボヌクレオチドナトリウム、グルシン、甘草、ステビア、サッカリンナトリウム、CMCI Na (増粘多糖類)、カラメル色素、乳酸、コバク酸、安息香酸プチルが記載されている。
これは醤油ではなく、いわば「醤油風調味料」であり、化学添加物の塊である。身体に良いわけがない。塩、みそ、みりん、調味料、日本酒、ハム、たくあん、カップ麺、コンビニ弁当、アイスクリーム、清涼飲料水、サンドイッチ等、商品を裏返して見れば一目瞭然である。
こうした原材料の個々の化学物質が、いかなる影響を身体に及ぼすのか。『食品の裏側』等で一度確認して欲しい。明日の家族の身体と健康は、今作られた食事から生まれる。食卓を預かる親御さんが、まずは賢い消費者になって欲しい。
●エコ先進国ドイツの原型は「江戸」だった 自然との共生という視点では、エコ最進国のドイツ人の 「街作り」が参考になる。
ドイツを列車移動していると、野原のどの河川もコンクリート堤防ではなく、自然堤防であることに気づく。さらに街に近づくと、郊外は色とりどりのごく小さな小屋と小さく区切られた畑が街を取り囲んでいる。市民に貸与されている自家用菜園である。都市生活で生まれる残飯を、有効微生物群を使って有機肥料へと変え、週末に農業を楽しんでいるのだ。
欧州は緯度が北海道より高く、太陽の恵みが少ない上に、氷河で表面の腐葉土が削り取られていて、本来は野菜などの栽培には不向きな土壌特性がある。ジャガイモ程度の栽培がせいぜいであり、そもそも食糧自給率も低かった。
ところがこの市民一人ひとりが参画する完全有機無農薬栽培により、今ではドイツの食糧自給率は一〇〇パーセント近い。しかも化学物質である肥料や農薬を使わない有機栽培なので、健康も増進される。
市内に入ると、数キロメートルごとに自然公園がある。車もなるべく郊外のスポットに止めて、そこからは自転車道路網が張り巡らされている。聞くと「人は自然と小動物と一緒でないとダメになるということに、我々は数十年前に気づいた」そうだ。個々の成熟した「大人として確立された」自意識の高さが、戦後の連合国の占領政策終了後、ただちに憲法を改正、自主憲法を制定し、精神的にも完全に独立を回復したということだろう。
戦後、様々な分野で国際的にも活躍するドイツは、世界から尊敬を受けている。同じように経済大国として復活しながら、エコノミックアニマル等と卑下され続けた日本とは正反対である。
実はここにも、日本にかけられたマインドコントロールの兆候を見ることが出来る。
なぜなら「自然堤防」も、そもそもは日本がその発祥の地であり、この世界初の近代的な自然堤防は北海道の豊平川河口に現存しているからだ。
これは北海道の開拓に際し、複雑に曲がりくねった豊平川を現在のように一つの流れに抜き直して札幌市を作るときに採用された工法なのだ。工事は河口から実施された。ところがあまりに時間がかかるということで、明治維新政府の西欧万能主義に陥っていた指導者たちの意図に合わず、すぐにコンクリートを主体とした現行の工法に変えられた。
しかしこの自然工法は、後にアメリカのミシシッピ川全面大改修にも採用された。それほど素晴らしい工法だったのだ。これは信玄堤や江戸の上下水道等、日本の伝統的土木工法が世界最高の水準だった証拠でもある。
さらに、ドイツにおける「自然公園と小動物との共存」と、リサイクルで有機栽培する街作りは、かつての「江戸」の再現にほかならない。これこそ、日本に本来あるものを日本人自体には完全に忘却させ、自分たちは日本から利益を得るという、日本人にかけられているマインドコントロールの縮図そのものと考えられる。p-44
